殆ど私は毎年何週間かを
この戸隠山でおくるのですが
地味でいい山だと思います
初夏の戸隠は
躯の芯まで染まってくるような
鮮やかな緑ですし
初秋頃は雲と紅葉を美しいと思います
私はいつも 宝光社の諏訪という房へ泊まります
私はこの山で小説をいつくか書きました
― 林芙美子 私紀行より
殆ど私は毎年何週間かを
この戸隠山でおくるのですが
地味でいい山だと思います
初夏の戸隠は
躯の芯まで染まってくるような
鮮やかな緑ですし
初秋頃は雲と紅葉を美しいと思います
私はいつも 宝光社の諏訪という房へ泊まります
私はこの山で小説をいつくか書きました
― 林芙美子 私紀行より
小説家・林芙美子さんが「うず潮」の執筆をされたのが、
当館「お宿諏訪」です。
林芙美子さんは戸隠をとても気に入られ、毎年ここで過ごされていました。
林芙美子さんが来られていた当時は、当館の敷地内に離れ屋敷があり、決まってそこで執筆活動をされていました。
また、一高(現 東京大学)の学生さんが避暑地で勉強できるようにと「戸隠の諏訪と言う宿に行きなさい」と言って送り出していたようで、その時の様子をうかがえる手紙を現在も保管しております。
そのほか、ご主人からいただいた初版の「うず潮」や、
昭和39(1964)年のNHK連続テレビ小説「うず潮」で林芙美子役を演じた女優・林美智子さんからいただいた色紙なども展示しております。
旅と芸術を愛し、恋と文学に生命を燃やした林芙美子さん。
貧しさや戦争によって運命を翻弄される庶民の哀感を描き続け、
47歳で急逝しました。
うず潮が生まれた「お宿諏訪」にぜひ、遊びにお越しください。
「うず潮」「放浪記」「浮雲」などの
代表作で知られる小説家・林芙美子。
数多くの作品を残し、中でも「放浪記」は
ベストセラーとなる。